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2011年3月9日水曜日

流暢な日本語を話す優秀な中国人にかなわない

国内は就職難、中国でも雇用が消えた日本の若者に出口はあるか
前回の続き

 日本に住む日本人からすれば、月給8000元(04年でおよそ12万円程度)では夢が描けないと思うだろう。だが、そこはリスクを冒してきた者だけが享受できるリターンがあった。会社の成長とともにそれに見合った昇給を得ることができた。日本人というステイタスだけで管理職にもなれた。私生活も充実、現地で美人の奥さんを見つけ、こぎれいなマンション住まいというのも決して夢ではなかったのだ。
 だが、その日本人にとっての黄金期は終わろうとしている。
<span style="font-size:large;">■<strong>流暢な日本語を話す
優秀な中国人にかなわない</strong></span>

 金融危機を経て風向きが変わったのだ。労働契約法(*2)を背景に、あるいは金融危機で事業に縮小をかけることをきっかけに、企業は、「人は減らせるだけ減らす」という態度に変わり、これら現地採用者も影響を被ることとなったのである。
(*2)08年1月からの労働契約法の改正で、2回契約を更新したその後は基本的に終身雇用(無期限の労働契約)という扱いに変わった。これは日本人の現地採用者にも影響、08年末で契約を打ち切られた日本人現地採用者も少なくなかった。
 確かに日本人の雇用の縮小は現地で配られる無料誌を手にとってもわかる。07年までは求人広告で賑わっていたものだったが、その数もだいぶ絞られている。上海の人材コンサルタントは「今でこそ若干の回復もありますが、つい最近までは金融危機の影響で日系メーカーの稼働率は30~40%の水準に落ち、日本人人材の募集もそれに比例する形で、07年比3割程度に落ちていました」と打ち明ける。
 それ以上に懸念されるべきは、「日本人にやってほしい仕事がなくなりつつある」ということだ。
 「『待遇は同じ。日本人、中国人、どちらでも構わない』という日系企業も増えています」と人材紹介会社の上海NISSO人力資源服務有限公司で総経理を務める杉川英哲さんは指摘する。
 1つのポジションをめぐる日本人と中国人との競争。ここで日本人が椅子をゲットできる可能性はあるのだろうか。
 「日本人ならHSK(漢語水平考試)9、10級の持ち主になるでしょうが、それでも中国人が話す日本語の流暢さにはかなわないのが現状です」(同)

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